どーも、お笑い工学の佐々木くんです。
今回のテーマは「M-1グランプリ2019の感想」
いやー、凄かったですね。
とりあえず言いたいことは山ほどあるのですが、毎年やりきれてないので今年はやりきろうと思います(笑)
決勝
ニューヨーク
「ラブソング」
それっぽい曲の完成度が高過ぎて、「あれ、このメロディー何の曲だっけ?」と一瞬考えてしまいました笑
ボケに対して突っ込んだあとのフレーズでも笑いをとれる所がうまいなぁ…と思いました。
ただ今回、客席は女性が多かったのかハマりにくかったのかなーと。
自分の習性とかクセとかって、客観的にイジられると一瞬「えっ…」ってなってしまいますよね。
ちょっとお客さんにとって自分ごと過ぎたのかも。
ちょい毒混じりですし。
ニューヨークに馴染みがあるともっとウケたのかなーなんて思いました。
いじる対象が、土屋アンナとかだと良かったんだと思います笑
かまいたち
「言いまちがい」
今回もボケの山内さんのキャラクターは輝いていましたね!
「USJ」のことを「UFJ」と山内さんが言いまちがえたのを、ツッコミの濱家さんになすりつけるというネタ。
昨年も言ったかと思いますが、これはもうコントなのかなーと思います。
山内さんのキャラクターコント。
「どう乗り切る気?」「なんでこんな堂々としてるん?」「」
など、漫才っぽい「ボケツッコミ」というより、キャラから繰り出すフレーズで笑いを取っていくようなスタイルでしたね。
M-1グランプリ2005 2006のチュートリアルさんを思い出していただければイメージしやすいかと思います。「mixiやってる?」みたいな。
コントの人がやる漫才ですよね。
払えよサランヘヨのくだりや、手の動きを封じるくだり、相方いないのに1人しゃべり、どれを取っても「演技のボケ」だなーと感じました。
和牛(敗者復活)
「不動産の内見」
あれだけ優勝候補と騒がれて、一度準決勝で落とされ、敗者復活から這い上がって来た和牛さん。
どう見ても頭一つ抜けた漫才の実力なのに、落とされてしまう。
それがM-1グランプリなのです(笑)
今回のネタは、漫才ではよく見る設定である「不動産屋」。
もう何度も見ているので見えて来たのですが、きっと和牛さんは、
「ベタな設定で、どこまで今までと違う見せ方が出来るか?」
にチャレンジしているんでしょうね。
過去に「ドライブデート」「結婚式」などのベタな設定もやっていましたし。
松本さんが言ってたように「人が住んでいる物件を紹介する」のくだりを4つやって、そのまま展開していくのかと思いきやそこで終わりじゃなかったです。
「人が住んでない物件紹介しろや!」と言って、人さえ住んでなければボロボロの物件でも、事故物件でもなんでも「いいね!」と言う「ツッコミ!」というツッコミでもない「逆のシュールコント」のような展開になりました。
前半と後半の2部構成は「結婚式」でも「旅館の女将」でもありましたよね。
元々ぼくは和牛さんの漫才が「バナナマンのコント」に見えていたので、キャラだけでなく、がっつり設定を入れたコント路線をするのも自然なのかなーと思いましたね。
なんだかツッコミの川西さんのことが、2丁拳銃の修二さんに見えました。
ボケといいねの後のしゃべくりの流暢さとか。
「いいね!」も「ちょうどええ!」に見えた感じがしました。
レベルアップのための芸人さんの勉強法として、「先輩芸人の芸風をトレースする」というのがあります。
東京ウケを意識したような後半のシュールさもソックリで、
「あ、いま和牛は2丁拳銃をトレースしようとしてるんだな」と感じました。
とにかくあそこまでの実力者でも、まだ新たなスキルを身に付けて成長しようとしている、しかもこのM-1決勝という大舞台で、持ってくるというのがスゴイ。
仮に負けても、もうM-1を卒業したとしても、まだまだその先どんな漫才師になるか注目したいと思いました。
すゑひろがりず
「合コン」
これは能?狂言?がっつり「キャラモノ」ですよね。笑
これもコントな気がします。
なんだかコントっぽいネタが続くと、何が漫才で何がコントかわからなくなります(笑)
からし蓮根
「教習所」
どちらかと言うと、オーソドックスな設定に、オーソドックスなスタイルでしたね。
2回目に見る方が、肩肘張らずに見れて面白かったです。
ボケの伊織さんの表現力。動きが得意なんですかね?
動きのボケが、とにかく迫力もあるし面白い。
「車から飛び出る」「エアコンが爆風」
「バックが覚醒する」くだりが特に面白かったです。
ツッコミの方も、ボケに対するツッコミだけでなく、その後の補足で何度も笑いをとっていたので、テクニックが高いと思いました。
この補足ツッコミで笑いを取るのはトレンドなんですかね?
見取り図
「お互いを褒め合う」
何でしょう?この潔さは。
オーソドックスな褒め言葉の大喜利合戦。
フレーズの面白さ一本勝負みたいな。
ナイツの塙さんは「二人のことを皆にもっと知られていくと、ドンドン面白くなる」と言っていました。
しかし僕にはこれこそが「自己紹介ネタ」に見えたんですよね。
コンビ組み立ての時に、じぶん達のことを分かってもらう段階のとき、こういうネタをしたりするんですが、何故いまこのタイミングで自己紹介?????
前に見た事あるような気もしますし、何故この舞台でこのオーソドックススタイルで、このテーマなんだろう??
漫才が始まった瞬間は疑問でした。
でも進んで行くに連れてわかって来ました。
僕には、東京のTV局への「見取り図のプレゼン」に見えたんです。
もちろん一つ一つのボケも強力だし、お客さんもドカンとウケていました。
そんななか、
「煽り運転の申し子」「激弱のバチェラー」「EXILEのバックダンサーの綱吉」「くたびれた櫻井翔」というフレーズ。
「あれ、番組に呼んでもらおうと思ってる?」みたいな笑
褒め言葉という体で、お互いに特徴を付けあっているように感じたんですよね。
もし僕の思った通りなら、この2つを共存させるのは、本当に凄いことだと思いました。
確かに、毎年ファイナリストに残り続けてもブレイクするとは限らないし、優勝してもそれは分からない。だったらコンビとしてのステップアップとして戦略的に利用と宣伝してやろうと。
M-1グランプリの決勝をうまく使って、次のステージに進もうとしているという、そんな姿勢を二人から感じましたね。
あとツッコミの方が、少し噛んでしまった時の「昼に爆竹食べたんで」というアドリブがスゴかったです。
その後のトークでもその場でフレーズが出してたので、「あ、さっきのアレもアドリブなんだ!」と感動しました(笑)
そういう意味でもとてもTVバラエティー向きなのかも。
ミルクボーイ
「コーンフレーク」
ミルクボーイもずーっと前から何となく名前を知っていたコンビでしたが、どんなネタをする窯ではしりませんでした。
こちらも配信の3回戦のネタを観てメチャクチャ面白かったんですよね。
ただ、ファイナリストに選出されてから観たので、「ファイナリストに選ばれるコンビってこんなにレベル高いんだ」と思ったくらいでしたが、まさかまさかの展開になりました(笑)
オズワルド
「先輩」
Gyao!で配信していた3回戦のネタがメチャクチャ面白かったので、個人的には「もしかしたら優勝するかも?」と勝手に思っていました。
どうでもいいけど、ツッコミの方のパンツ。7分丈がやたら目につきませんか?笑
東京っぽいとはなんなのか?
インディアンス
「おっさん女子」
2年前に下北のライブシーンで初めて観て、衝撃を受けたインディアンス。
当時から噂はスゴかったんですよね。
その頃から劇場でもドッカンドッカンウケてました。
その年に決勝行っちゃうかな?と思ったら、そこから2年かかりました。
こんなに面白いのに通さないのがM-1グランプリです(笑)
で、今大会のネタも僕的にはムチャクチャ面白かったし、客席もミルクボーイの次くらいの沸き方をしてたと思ったのですが、審査員の点数が伸びませんでした。
あんなに面白かったしウケてたし、何でかな〜?と思い返してみると、1つ思い当たるところがありました。
それは「一発ギャグ」。
ボケが一発ギャグの羅列に見えなくもない事です。
僕は某養成所に通ってましたが、ネタ見せの授業で「一発ギャグ集めたようなネタをするな!」と言われておりまして。
で、初めてインディアンスを見たときに、やっぱりそんな風にみえて「いいのかコレは!?」と思いました。
でもTVとか見るとフースーヤみたいなコンビも出てきてたんで、時代が変わったのかなーと勝手に思っていましたが、審査員の方にとってはそうではなかったのかなと。
松本さんも和牛の漫才を「ショートコント4つで~」と数えていたりしたので、一発ギャグもそんな風にカウントしていた可能性があります。
上沼さん以外、みんな示し合わせたように低かったので、そうなのかなーと。
僕はスゴく好きだったんですけどねー。
アンタッチャブルのような勢いで、エレファントジョンのようなボケとかギャグを、ぐっさんの体格から繰り出すあの感じ。
おっさんの演技も面白かったし。
もしかしたら、いつものインディアンスのボケを誰かにオヤジっぽいみたいに言われて、応急処置的に「おっさん女子」という設定でコーティングしたのかも。
見直すとよく分かりますが、お客さんのウケ方が半端ないです。
それよりも、やっぱりネタの中身という事なんでしょうか。
小ボケというと小ボケなんでしょうが、、
うーん…ちょっと審査員にはハマらなかったのかなぁ。。。
ぺこぱ
「タクシー」
ツッコミの形も新しいけど、大きい意味での時事ネタというか、時代についての言及をツッコミでしていました。
根がマジメなのか、コンプラだらけのTV業界を皮肉ったのか分かりませんが。
後、ネタ終わりの「ヤバい、バレちゃった!」ってコメントが可愛すぎましたね(笑)
MCでトークを振られた時も、全部キャラのコメントで返してすごいな〜と。
すぐにでもTVに対応出来そうな可能性を感じましたね。
最終決戦
ぺこぱ
「電車で老人に席をゆずる」
かまいたち
「宮崎駿見てない」
ミルクボーイ
「もなか」
漫才はつき詰めるとコントなのではないか?
感想
今回おもしろいと思ったのは、優勝後のSNSの動きでした。
ミルクボーイの漫才に対し、Twitterでケロッグ公式のアカウントがハッシュタグ付きでコメントしていました。
ニューヨークは去り際に「YouTubeチャンネルやってます!」と言い、見取り図は東京のTV業界に対するコンビのプレゼン的なネタを(したように見えた)しました。
M-1決勝に出てもドカン!とブレイクするかはわからない。だったら、注目が集まる大会で自分たちのもつメディアの番宣だけでもして帰ろう。...みたいな。
何かが始まって、何かが終わるってしまうような、そんな予感がした大会でした。
この流れの...時は戻せないかな?(笑)
今回の上沼恵美子さんは、ぼくは楽しく見れました(笑)
マジ怒りか、コント怒りかよりハッキリさせてくれたので、みんな楽しく見てられたんじゃないでしょうか?
それでも、西川きよし師匠と、島田紳助と、立川談志を共存させたような自由さと若干のピリ付きは感じましたが(笑)
弟子である志らく師匠より談志してたような、そんな気がしましたw
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はM-1グランプリ2019の感想を書いてみました。
非常にハイレベルな戦いで、分析が得意なぼくもかなり難しかったです←
今となっては僕もプロではないので、立場を逆手にとって好き勝手書いているので、これが正解!ってわけではないのですが、そういう見方もあるよーくらいな感じで。
見て頂ければ嬉しいです!
また何か書いていこうと思いますー^^
おしまい