どーも、お笑い工学の佐々木くんです。
今回のテーマは「漫才上達法」。
ブログでは言っておりませんでしたが、M-1グランプリ2019に出場してきました!
結果は...予選1回戦敗退!
いやー、難しい!(笑)
いつも、賞レースの感想をボロクソに書いていたのですが、今すぐタイムマシンの開発が完了して欲しいと思いました(笑)
ですが、チャレンジするに当たって、テクニックも含めて色々と現役時代に思っていたことなど、思い出すことが出来たのでまとめようと思います。
まず1つ目は、漫才を効率よく上達させるにはコントをやるのがいいな〜!という事について書きます。
なぜ漫才師の上達にコントが必要なの?
なぜコントをやると漫才に影響が出るのか?
それは「お芝居の勉強になるから」
説明しましょう。
いちおう漫才も演技です。
その場で思い付いたように喋っている「ように見える」演技をしている訳です。
そこで、大事になってくるのが「声に感情をのせる」ということ。
特にツッコミには感情が乗ってないと絶対にウケません。
漫才のセリフが棒読みになってしまうのは、ギターでいう所のFコードくらいの難所だったりします。
そこで、感情をつくる練習のためにコントをやろう!という事なんです。
コントはお芝居の要素が強めです。
そして、コントといえど役になりきり、気持ちを作って、感情を表現することが大事です。
じゃないとウケにくいんですよねw
漫才はテンポが速いです。
漫才だけやってると、セリフを返すのに精一杯。
漫才1本だけやってる芸人さんがいたとして、仮に感情の大事さに気付いても、いきなり漫才に実装するのは難しいでしょう。
そこで、もう少しゆっくりとした間で、しっかり感情を作るトレーニングをしようぜ!
という事で、漫才師ほどコントをやろう!というのが僕の主張です。
なんで佐々木はそう思ったの?
コレに気付いたのは、僕が、お笑いで一番始めに取り組んだジャンルがコントだからです。
その頃、芸歴2年目くらいでしたが、役になりきって気持ちを作って、どうにか演技というモノの入り口にたち始めたくらいです。
そこまで乗り気じゃなかったけど、M-1グランプリなどの賞レースなどもあったので、1度漫才を研究してみました。
で、2〜3ヶ月後かな。そこそこ漫才でのウケの取り方も分かって来たくらいの時に、周りの漫才師を見回したところ...
アレ?感情入ってないな?
漫才1本で、養成所時代から数えたら3年以上やってる人なのに。
1つ上のランクの人たちや、芸歴が上の方でもチラホラ。
そこで気付きました。
そうか、コレは僕がコントの感覚だから、入り口が違って、漫才を外側から観測できたから気付けたんだなーと。
ジャンルは同じお笑いなのに「漫才師」「コント師」なんていう肩書きを作られた弊害だなーと思いました。
そう名乗ったらカッコイイし、なんとなく僕もコント師になりたかったので良くわかります(笑)
漫才師なら漫才だけ、コント師ならコントだけを突き詰めた、どこか職人っぽい方がなんとなくカッコいいという風潮があるのです。
もしかしたら今も(笑)
やっぱり漫才も上手い人は、しっかりお芝居の劇場で演技の仕事をこなしてたりするのもみたりしました。
なので、本当は片手間でも趣味的にでもいいので、漫才師は1度コントを真剣にやった方がいいのです。
キングオブコントだからやるのではなく、継続的に。
なんなら1年捨てるつもりでコントにコミットした方が、その後の伸び率はすごいかも。
漫才1本だけやって5年後に気づくのは、流石にちょっと悲しいので(笑)
こんなにあるの!?漫才師がコントをやるメリット
では、漫才師がコントをする事でどんなメリットがあるのでしょう?
ざっと挙げただけでもこれだけあります。
アイディア
演技力
台本力
演出力
ツッコミなしで笑いを取る
アイディア
コントの設定にはアイディア力が必要です。発想がキモとなります。
単純な設定ならキャラクターが必要ですが、基本は設定です。
これを煮詰めて考える事で、その発想力を漫才に持ち帰る事ができます。
コントの設定を漫才にもち込む事で、漫才が斬新に見えてきます。
例は、アルコ&ピースの忍者ネタ。
これはコントですよねw
巷では「メタ漫才」と言われているようです。
逆に、漫才の設定やテンポを、コントに転用してもこういう現象は起きないから不思議です。
演技力
コントは演技力が鍛えられます。
しっかり役になりきって気持ちを作って、感情を声にのせる良い練習になります。
感情の変化が真っ先に出るのが声なので。
気持ちがちゃんと作れれば「そのタイミングでは喋らないな」「ここでそれ言われたら黙ってしまうな」など、セリフの間なんかも良くなって来ます。
他にも「動き」や「パントマイム」をするコントもあるので、そういう身振り手振りをする機会ができるのも良いと思います。
特に、漫才はその場で喋っているような自然な演技力が必要です。
感情が入ってるとどういう音になるのか?ぜひ確かめてみてください♪
最近のコントは、お芝居のレベルが高くなっていますよね。
でもそこまでハードルあげなくても良いので、1度文化に触れるだけでもとても良い勉強になります。
とっても想像力のトレーニングにもなりいい感じです。
台本力
続いて台本力。え?漫才にも台本あるじゃん?と思うかも知れませんが、そうじゃないんです。
やっぱりそこはお芝居の要素が強めなので、ある程度、「役の気持ち」「感情」を台本上で示してあげられるのが良い台本となります。
それがないと「フツーここでこんな事言わないな...」など、上手く役に入り込めないことがあります。
特に、二人の役を行ったり来たりしながら書くので、相手の気持ちがよく分かって来ます。
人の「心」を描くのが良い台本だと思っています。
真剣にコントに向き合うと、そういうことも見えて来ます。
会話のしくみが見えるて、コミュ力が上がるという副産物もあります(笑)
演出力
台本とちょっと連動してるんですが、「その状況でそのセリフ言われたら怒る」っていうのがあったとして、それはどれくらいの怒りなん?っていうのを追求してみたりします。
「その程度の迷惑じゃ怒れないよ」とか。
「親を撲殺されたらその程度の怒りじゃないよね?」
とか。
「もっと強目に叫んでくれないと強めに反論できない」とか。
漫才のツッコミも、微妙に乗せられてる感情がちがいます。
イライラなのか驚きなのか。など。
あと、リズムや間や言い方なんかも演出ですかね。
フレーズも言い方ひとつで面白さがかなり変わってくるので大事です。
フレーズで笑いを取る
漫才ではボケツッコミで笑いを取るっていうパターンがありますよね?
当然、コントでもボケツッコミのものもありますが、そうじゃないパターンがあります。
それが「フレーズで笑いを取る」です。
このフレーズというのは、セリフのこと。
おもしろ一言を入れることで笑いをとるパターンです。
主にちょっとシュールめのコントで多いです。
僕は最初に組んだコンビで、「シュールコント以外、相方に採用されない」という事態になり、そこで鍛えられました(笑)
この一言のフレーズの入れ方を知っていると、漫才のボケ方も上手くなるし、ボケツッコミじゃないパターンで笑いが取れる事で、手札が増えます。
やる人も少ないだろうし。
このセリフの入れ方は結構、日常の色んな場面でも使えるのでオススメです。
逆にコント師が漫才をやるメリット
僕の考えでは、コント師も一度は漫才をやってみる時期があっても良いと思います。
漫才は、短い時間内で笑いをとるテクニックの宝庫です。
あと、笑いまで持っていくパターンも豊富。
これらはコントに持ち帰ることも全然可能です。
ギャグでもなんでもモノマネでもやってみると良いと思います!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、「漫才が上手くなりたければコントをやれ!」でした。
一応、現役でお笑いやってた時に気にしていた事を、思い出しながら書いてみました。
あんまり広まってない考えだと思いますが、漫才を学習するカリキュラムとしては良いかなぁーと思って、半ばエゴを押し付ける形で書いてみました(笑)
漫才をやってる方の参考に少しでもなれば幸いです!
おしまい。