お笑い工学研究所

お笑い工学を研究する元お笑い芸人の「佐々木くん」とお笑い工学を広く伝えたい「そもんず」によるお笑い工学の研究所です。

緊張と緩和ってなに!?お笑いにおける「前フリ」について

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どーも、お笑い工学研究員の佐々木くんです。

 

今回のテーマは「フリ」です。 

 

有名なもので「押すなよ?絶対に押すなよ?」と言って熱湯の中に突きおとすというモノを、よくバラエティー番組で見たことあると思います。もちろん、あれもフリなのですが、本当はもうちょっとオチがわからないように工夫したりします。

 

そのあたりを今回は書いていこうと思います。

  

 

 

お笑いにおけるフリの意味とは?

 

お笑いのフリとは「前提」のことです。

 

 

ボケる上で大事になってくるのは『意外性』なんですね。いわゆる「裏切り」というヤツです。その意外性...つまり「ギャップを出すための足場を固める」んですね。

 

 

まずはボケというゴールのための基準をつくって、その印象を引っくり返して行くという事になります。フリで「足場」を固めて、ボケになるような距離感でジャンプする。その着地点によって、ボケの種類が決まっていくという感じです。

 

 

 

フリは何のために必要なの?

 

フリとはギャップを出すための「前提」をつくると言いました。

 

 

これはもう間違いないのですが、別の言い方にすると「オチがばれないように隠すため」となります。

 

 

これがバレてしまっては意味がありません。意外性を出すためのフリなのです。

 

 

漫才やコントなんかは台本ありきなので、「オチから逆算してフリを決める」というのが普通です。

 

 

ラーメンズ小林賢太郎さんも、フリオチの仕組みはマジックと一緒と言っていましたよね。(つくる人デコより)タネがバレないようにそれまでのアクションや視線の誘導があるわけです。

 

 

いや、マジックのことは知らないんだけど(笑)

 

 

すべらない話などのエピソードトークだと、オチバレは何としても避けたいところです。

 

 

日常会話でいうと、「前提」が完成する瞬間があります。

 

その人のキャラが確定したり、話の流れ的に「◯◯の話題」というようなカッチリと方向性が決まる瞬間です。

 

その時に、

 

「この流れができたら、相手の心理は◯◯にフォーカスしてる状況だから、このボケは予想できないだろ...」

 

みたいな感じで予想を裏切っていくために使います。

 

 

なので、ガッチリと

 

「ギャグに向けてのルーティン」が出来ている場合の「フリ」

 

会話の流れで「前提」が自然発生したものを利用する「フリ」

 

というのがあります。

 

 

ボケをフリにするというのもあります。

 

 

 

 

 

フリを学ぶことのメリット

 

フリを上手く使いこなせるようになると、ボケの成功率が「飛躍的」に高まります。

 

 

どんなに面白いボケを思いついたとしても、フリが出来ていなければ中々ウケません。おもしろさを伝えるために、必要な「準備」なんですね。

 

 

それから、フリの種類がわかっていると「ボケられる範囲が広くなります」

 

 

サッカーでも攻撃のパターンがたくさんあった方が良いですよね。センタリングに対してヘディング。グラウンダーのパスに対するインサイドキック。こぼれ球に対してのボレーシュート

 

 

全部が全部、ドリブルで切り込んで一人で局面を打開しなくてもいいのです。チャンスが来た時に確実にシュートを放つ。チャンスが来た時に確実にボケることが大事です。

 

 

また、フリのことが分かっていると、ウケなかった時の原因を調べやすくなります。具体的には、フリに問題があったのか?ボケに問題があったのか?

 

 

これが分かると、フィードバックしやすいですね。

 

 

 

 

「緊張の緩和」=「フリとオチ」?

 

「緊張の緩和」というのはお笑いは有名な理論です。

 

 

「ピンと張りつめた緊張状態を、緩めたときに笑いが起きる」というもの。

 

 

これは落語家の桂枝雀さんが言ったものだそうです。これは「ある意味そうだけど、ある意味では説明不足なのかな?」と僕は思っています。

 

 

どういう事かというと、恐らくこれ「演出サイドのこと」なんですよね。

 

枝雀さんは落語家さんです。

 

落語というのはお芝居ですから、インタビュアーから「笑いをつくる上で、何をいちばん大切にしていますか?」と聞かれたら、緊張と緩和だと答えたかもしれません。

 

 

もちろんお芝居でなく、日常会話においても、緊張と緩和は大事です。でもそれだけでは無いかなと。「笑いを表現する」上での、アドバイスなんだと思います。

 

 

 その他にも「情報の積み重ね」的な部分があると思います。

 

 

忘れないように書いておこうと思うんですけど、

 

緊張とは「尺とトーンと情報によって生まれる感情エネルギー」だと思っています。

 

 

フリは大体この3つから出来ている

 

①「会話の文脈」に対してのフリ

 

②「先入観」をつかったフリ

 

③「シチュエーション」に対してのフリ

 

 

  

 

 

会話での「フリ」の作り方(見つけ方)

 

ここでは、じっさいの会話で使えそうなフリを、ご紹介していこうと思います。

 

 

 

① クイズ形式(大喜利

 

②2つの物を対比する(極端に)

 

③ 似たような物を2つ羅列する(3段オチ)

 

④ お決まりフレーズ・慣用句をつかう

 

 

と、まぁこんな感じです。

 

いろいろ種類がありますが、要するに「相手に与えるイメージの方向性」が定まれば良いのですね。それが出来れば、そこを基準にして上手くギャップを出せるように裏切っていきます。

 

 

カンタンに説明しようと思います。 

 

 

① クイズ形式

 

これは、クイズ番組に出ている芸人さんを観ていると分かると思います。クイズの問いに対して、マジメに答えず、おもしろ回答をしていくという物です。これもクイズ番組という場への「クイズには正解しなければならない」という前提への裏切りです。さらに問題の時点で「?のベクトル」が示されているので、あえて間違うという、正解以外でボケることが出来ます。非常に大喜利的なフリですね。つまり、「すべての質問はフリにすることができる」ってことですね。

 

 

 

② 2つの物を対比する

 

「そんな事するの、◯◯さんか✖️✖️くらいだよー!」

 

こんなフレーズを聞いたことがあるでしょう。このまま使えるので、とっても使いやすいですよね。テンプレで流行るのも納得です。「そんな事」となるキーワード(キー現象)を救いとれるかが、大事になってきます。

 

だれかの発言内容や行動が「極端」なばあい、過剰というベクトルが示されるので使えると思います。✖️✖️のところに「そんな事」で感じとった感想の「極端な例」を示します。天才、斬新という感想を感じとったら「スティーブ・ジョブズ」のように。

 

 

 


日常会話では逆になる!?(緩和からの緊張)

 

要するにテンションを保てばいいんですよね。

 

 

 

まとめ  

 

 

いかがでしたでしょうか?

今回はお笑いにおける「フリ」について書いてみました。

 

意外と知られていないので、これを理解しておくとウケる確率が今よりもっと高まるはずです。

 

今回の記事だけでは、説明が不十分なので、また追記やフリについての新たな記事も書いていこうと思います。それでは皆さん、良きお笑いライフを!

 

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