お笑い工学研究所

お笑い工学を研究する元お笑い芸人の「佐々木くん」とお笑い工学を広く伝えたい「そもんず」によるお笑い工学の研究所です。

センス=コピー能力!?スキル習得に役立つモノマネ力

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どーも、お笑い工学研究員の佐々木くんです。

 

今回のテーマは「モノマネ」です。僕自身、武器として使えるほどモノマネ芸ができた訳では無いのですが、自分で言うのもナンですが、自分のことほんの少しだけ器用...だと思っています。イタイ奴ですね(笑)でも仲の良い芸人のあいだでも器用な方だったんじゃないかな。何か身に付けないといけない時、比較的パッと出来たりします。

 

それはもしかしたら、モノマネ力=センス  で、それが僕は少しばかり上手く使いこなしてるからかな〜と。そんな所で、僕自身モノマネ力という物に可能性を感じているので、これを気に語ってみようと思います。最終的に皆さまにも使えるように、まとめられたら良いな、と思っています。

 

 

盗むチカラ=コピー能力=モノマネ力

 

モノマネというのは「見たものを見たまんま、聞いたものを聞いたまんま再現する」という能力になります。

 

絵でも楽器でもやった事ある人は分かると思いますが、まんま再現するっていうのは結構難しいんですよね。絵を描いてみるとよく分かります。

 

自分の中の「これってこんな感じだよね」「ハイハイ、こうやってこうでしょ?」っていう思い込みが強すぎて、モノマネの対象をまったく見れていない状態なんです。

 

たぶん、皆んなスタートはそこから始まってるハズなので、怖がらなくても大丈夫です(笑)

 

 

落語家レジェンドの故・立川談志師匠もこうおっしゃっています。

 

さて、これはどういう意味でしょうか?実はぼくの中では答えが出ています。 後ほどお話ししたいと思います。

 

  

ものまね力を習得することのメリット

 

あらゆるスキルの習得スピードがめちゃくちゃ速くなります。

 

 

それはなぜか?物事の本質をつかむ!なんて大げさなことは言いません。

 

100点のモノマネでは無いけど、物事の大まかなシルエットがわかる様になります。

 

ピッチャーやバッターのフォームという身体のカタチ。声にも大体のカタチみたいな物があります。物事の構造。メカニズム。

 

 

世の中にあるものは大体カタチがあります。そのシルエットが見えるようになってくるんですね。

 

 

モノマネというのは、答えがすでに提示されているので、そこに向けての実践とフィードバックみたいな癖がつきます。

 

 

それによってスキル習得のスピードが早くなるんですね。

 

 

 

漫才がヘタクソだった僕が取り入れた、ある歌手が行なっていたトレーニン

 

僕がお笑いを始めたばかりの時、まったくの手探りで何をすれば面白くなるのか分かりませんでした。

 

 

ネタ見せの授業でも講師からは「それはいい!」「それはダメ!」というアドバイスばかりで、(思えば大事なことも言っていた気がするけど当時は理解できるレベルに達していなかった...)

 

具体的に何をどうすればいいかまでは教えてくれませんでした。

 

まぁ、人数も多いし仕方ないんだけど。

 

 

特に当時のぼくは、演技力が僕は壊滅ダメでして。

 

そして演技がダメだから笑えないのか?他にダメな部分があるのか?さえ分からない、文字通り樹海に迷い込んだような状態でした。

 

 

そして救いを求めてインターネットを彷徨っていました。すると役者系のサイトのみならず、アート系のノウハウブログでこんな話題が引き合いに出されていました。

 

 

 

その昔、小柳ゆきという売れっ子歌手がいました。

 


あなたのキスを数えましょう ・ 小柳ゆき 『第51回 NHK 紅白歌合戦』

 

 

当時のヒットチャートを賑わせていた、ものすごく歌唱力のあるシンガーの方なんですが。この歌の歌詞がちょっと面白くて当時お笑い芸人とかにイジられてたりしてたんですけど(笑)

 

 

そんな彼女が、歌番組に出演していたときに語っていたエピソードです。

 

 

「歌が上手くなるために、好きな歌手のCDを何度も聴いてマネして、そっくりそのままになるまで練習しました」

 

 

...あれ、これ何かリアルタイムで見たことある気がすると。

 

当時は「え〜スゴ!才能もあるんだろうけど、やっぱプロになる人はこんくらいやらんとダメなんだな〜」と思った気がすると。

 

インパクトのある話だっただけに、ずっと心の片隅に引っ掛かっていたんでしょう。

 

 

このエピソードが書かれた記事を見つけた時のイナズマに打たれたような衝撃は計り知れません。

 

「これだ!!!!」

 

ぼくはすぐに小柳ゆき風トレーニングの漫才版を始めました。

 

流石に声質まではムリだけど、似せられる限界まで似せてみました。

(当時のお手本はスピードワゴン

 

この練習法によって、お笑いに必要な要素から構造から、ずいぶんと抽出させて貰いました。

 

もちろん、どこからどこまでが演技力の占める部分かも分かりました。

 

 

だからぼく自身スゴくモノマネ力に救われたし、今もあって得したスキルでもあります。

 

 

GLAY好きの後輩ケンジくんの話

 

ぼくは学生時代に軽音楽部というほどカッチリしてないけど、先輩後輩関係なくギターとか楽器をやってる仲間で集まって、バンドを組んだりして遊んでいました。

 

 

そんな中、2つ下にケンジくんというギタリストの後輩がいまして、彼はGLAYが大好きだったのです。

 

当時は空前のインディーロックブームで、刺激に飢えたキッズたちからは、メジャーレーベルど真ん中のロックバンドはちょっとバカにされがちだったのです。

 

だから、ケンジくんもGLAY好きという事で「まーたGLAYやってんのー?」ちょっとイジられている所がありました。今にしてみりゃ好きなもんは好きなんだし、ほっとけって感じ何ですけど(笑)

 

 

で、まぁ彼は3年間GLAYを演奏し続けたんですよ。彼は研究に研究を重ね文字通りGLAYそっくり演奏できるようになっていました。

 

 

そしていよいよ彼も、GLAYじゃないバンドも演奏したい!となり、いざテンポが速めのメロコアや他の人が苦戦するようなフレーズもスラスラ弾けるようになっていたのです。

 

しかも、彼は楽譜に書かれたフレーズをなぞるのみならず、ギターの音もTAKUROと同じ音にするため、アンプをいじりエフェクターをいじりGLAYを完コピしていましたから、いつの間にか音作りの達人になっていたのです。

 

 

この曲のギターの音どうやって作れるのかな?と聞いたらモノの数分でちゃちゃっと作ってくれました。

 

 

GLAYのような基礎的なフレーズをかっちり練習していたので、難しめのフレーズでも鬼のように正確なプレイができるようになっていました。

 

 

きっと練習の仕方も会得していたのでしょう。

 

 

文字通りケンジくんは大化けしたのでした。

 

 

このエピソードは僕の人生においてもかなり衝撃的な出来事で、芸人時代の修行におおいに役立ちましたし、今でもこの考え方を大切にして生きています。

 

 

基礎となるスキルを徹底的にコピーすれば、応用が効くと。

 

 

そのスキルを持ち越すことによって、次の学びがラクになる事。何を身に付ければ、次に活かせるのか。物事のコアの部分を見たりするようになりました。

 

 

 

談志が言いたかったこと

 

と、ここまで僕のモノマネ体験談をお聞きいただきました。退屈でしたか?そうでしょうそうでしょう笑 それでは、この辺で先ほどの談志師匠の言いたかったことの答えです。

 

 

それは人は、

 

 

「じぶんで出来るようになった事しか認識できない」という事です。

 

 

僕もそこそこ演技ができる様になって初めて、役者さんの演技の上手さというのが分かりました。

 

 

それから僕はいま、カラオケ オンラインサロンを運営しているダンサーさんのもとで歌を習っていますが、そこで色々なワザを教わる訳です。

 

で、そのワザが出来るようになった後に他の歌手の曲を聴いてみると「あ!この人、習ったワザ使ってる!!」みたいな現象が頻発します。

 

 

つまり全くの0の状態では、「スキルを盗むこともままならない」んです。

 

 

全くの0から始めるには、膨大な量のインプットをして、膨大な量の実験を繰り返して、本質を抉り出すしかないのです。

 

 

もちろん指導もされるんだろうけど、その人のやる気や器用さ、理解力も関係してくるので、師匠はある程度年月がかかると言っているんですね。

 

 

今はネットや書籍に優れた情報なんていくらでも落ちているし、優れたスクールもたくさんあります。

 

 

もっともっと爆速でスキルを習得できるハズです。

 

 

それをさらに超速まで速めるのがモノマネ力だと思っています。

 

 
 
と、モノマネについてもっともっと語りたかったのですが、長くなりすぎると読みにくいので、この辺でいったん終わろうと思います!多分、続きます....!!
 
 
おしまい