どーも、お笑い工学研究員の佐々木くんです。
今回のテーマは「間」です。
ちょっと難しいかな?とも思ったんですが、twitterで呟いたら反応してくれた方がいたので、せっかくなので書こうと思います。使えると便利なワザではあるので、良ければ皆さんお付き合いください。
「タメ」って何のこと?
お笑いで重要な要素として「間(ま)」という物があります。これはボケやツッコミを言うタイミングのことを指します。ツッコミなんかは特に重要だと言えるでしょう。間とは、文字どおり言葉と言葉の「間」のスペースのこと。この間の距離感覚をどうするか?これが音楽としてのお笑いで重要な要素になってきます。これはもちろんボケにも存在します。ここではボケの間の1つ「沈黙」を取り上げます。
ボケの「沈黙」とは、漫画のセリフなどでよく見る「........。」というやつです。この沈黙でタメて「.......つまり〜」と喋り始めるタイミングですね。この沈黙を身に付けられるとぶっちゃけかなり使えます。なぜなら、特別おもしろい事言わなくていいから。タイミングだけなので。もちろん気の利いたフレーズであれば効果は倍増です。
タメ(間)を作ることがもたらす効果
タメを作ることの効果は主に2つあります。
- 緊張感というエネルギーを溜める
- ボケやツッコミのフレーズをしっかり聞かせる
1つ目はよく耳にするお笑い理論、「緊張と緩和」の「緊張」に当たる部分だと思います。僕は当時沈黙ゲージと読んでいました。格闘ゲームの体力ゲージのようなものが溜まって行くイメージ。
2つ目の方は面白いもんで、音ゲーみたいに「ココ!」というタイミングが確実にあります。 このタイミングにハメるとボケやツッコミの威力が倍増します。逆にここに当てはめないと、どんなにボケが面白くても威力が半減してしまう可能性が出てきます。(※これを「ボケが流れる」と言います)
どういう場面で使えるの!?
- ボケる時
- ツッコむ時
- スベった時
- 気まずくて場が凍りついた時
「.......」という位なので、基本的には前のことばに対して「モヤモヤした感情が生まれた時」にカウンターとして使うのが良いです。
漫才にみる「タメ」の使用例
では、実際にプロの漫才師が「タメ」を使っている実例を見てみましょう。
素材は、麒麟さんの漫才です。使用しているボケのくだりは、39秒〜始まり、54秒のところで使っています。
(田村さんに子どもが生まれたという話で)
田村「もう〜0才でねー、本当可愛いんですよー」
川島「0才ですってね」
田村「0才ですわ〜」
川島「.......(←ココ)人間で言ったら何歳になるの?」
田村「0才や!!!!」
何と美しい間なのでしょう。「タメ(沈黙)」を作ることで、ピンと張り詰めた緊張感のエネルギーが高まって行くのを感じるでしょうか?このエネルギーがピークに来たところで、ツッコミだったりボケだったり、またはその他の目的のフレーズを入れます。そうすることで、フレーズの威力が高まります。
日常会話にも応用できる
普段、皆さん意識しているか分かりませんが、会話というというモノには全てリズムがあります。お笑いも基本的にベースは会話です。漫才も漫談もコントも落語も大体みんなそうです。特に「落語はリズムとメロディーだ」なんて話も聞いたことがあります。実際に弟子入りすると、まず最初に太鼓と笛の稽古をするそうですね。ってマックで隣にいる山崎邦正が言っていました。
なので、お笑いのテクニックの多くは日常会話でも使う事ができます。(逆もまた然り)
もちろん「タメ」も日常生活の会話でも使うことは可能です。こちらは改めてシーン別に分けて使い方を書いて行こうと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?正直これはちょっと難しいな〜と書き上げた今も思ってるのですが(笑)ただ、使えるようになると、使い勝手が良すぎてこればっかで笑いを取るようになっちゃいます。パターンを読まれてもタイミングのスキルなので、フレーズを変えれば無限にできるし、すごく良いと思います。
今回の記事を、より詳しく書いたnoteをリリースしています!
有料になってしまいますが、よかったら読んでみてくださーい^^
おしまい