どーも、お笑い工学研究員の佐々木くんです。
今回は「漫才の基本パターン」をまとめてみました。
4月になり、プロのお笑い芸人を目指して上京してきた方も多いと思います。
「好きで来てるんだから、そんなのもう知ってるよ!」という声も聞こえてきそうですが(笑)
僕が芸人始めたての頃に「こんな記事あったらな...」というモノを、ある種のおせっかいで書くことにしました。
まぁ、色々と時代の流れも速くて、TVからネット配信に移行したりしてきているので、このブログを観てサッと学ぶのもアリかな?とも思います。
それから「プロじゃないけど、M-1グランプリに挑戦してみたい!」という方にも参考になればと思います。
それではボチボチ始めまひょか。
(※このギャグで読者をふるいにかけています)
漫才とは大喜利である
漫才のボケって実は大喜利なんですよ。
それを会話や演技に落とし込んでるんですよね。
まず大喜利のお題の大きいテーマがあって、それに関連した小見出し的お題がいくつかのブロックとしてあって、それへの回答がボケなんですよ。
だからお題となるテーマにプログラムが含まれているモノだと作るのがラクです。
あんまり「さぁ、ネタ書くぞ!」と力まなくても、大喜利で遊ぼう!くらいの気持ちでやると良いかもしれません。
漫才の基本パターン5つ
① ひとこと大喜利型
② シチュエーション大喜利型
③ ひとりで暴走型
④ コント漫才型
⑤ 掛け合いしゃべくり型
それでは、1ずつ解説して行きましょう!
①ひとこと大喜利型
これは比較的かんたんに出来る、初心者向けの漫才です。
なぜなら、他のスタイルだと大喜利のボケをじっさいに演じなくてはなりません。
しかしこのスタイルの場合は、ひとこと言うだけで済ませられる。
ネタを作る段階で、どんなに良いボケが思いついても演じるのが難しく、泣く泣く削らざるを得ないボケも出て来ます。
それもひとこと言うだけなので実現できるというのがメリットです。
どちらかというと大喜利の回答を読んでいるという感覚ですかね。
大体、標準レベルの漫才というのは、大喜利の回答をじっさいに演じてボケにする事も多いので、それを立体にする表現力や演技力がまだない場合にオススメのスタイルです。
慣れて来たら追加で実演を入れるのもアリです。あと一度お題をフッてしまえば、ボケツッコミだけを連発できるのもウリですかね。
メリット:あまり演じなくても良い、作りやすい、短い時間でボケを連発できる
例)ますだおかだ 2'48〜
ボケ方としては「あと◯◯◯◯ね」、「あとね、◯◯◯◯する」など。
コンビ組み立ての頃のNONSTYLEさんや、フットボールアワーさんなんかも使ってましたね。
昔はもっと参考動画あったんですけど、今は探すの大変ですね(汗)
ますおかさんは上手いので、実演も混ぜています。ベテランさんでも基本スタイルを使ってるんだというのを、頭に入れていただければ。
②シチュエーション漫才型
同じシチュエーションでの大喜利を繰り返すスタイル。
別名、娘さんを僕にください型(笑)
これも比較的トライしやすい形ですね。
大喜利のテーマと掛け合いの型を1つ作れば良いので。
1テーマでボケがたくさん浮かぶ人には良いかも。
僕も漫才始めたての頃は僕もよくやりました。
漫才レジェンドの夢路いとしこいしさんもやっていたので、意外と歴史あるスタイルかも。
これは見れば一目瞭然なので、あんまり解説はいらないかな?ちなみにこれは演じる要素も入れられますね。
メリット:作りやすい、短い時間でボケを量産できる、大喜利を反映しやすい
例)笑い飯
ボケが入れ替わっちゃうから、ちょっと参考にしにくいかも知れないですけど(笑)まぁ、こんな感じですー。おんなじシチュエーション、フレーズで振ってボケを量産するみたいな。
③ひとりで暴走型
これも割とやりやすい形。
ボケが暴走して、立ち位置を左右にふって一人二役で進めて行くパターンです。
これは何が良いかというと、一人で喋る分量が多いので、掛け合う必要がない。
リズムが作りやすいんです。
つまりネタ合わせがしやすいんですね。
ネタ合わせの何が大変かっていうと、二人のリズムを合わせるのが大変なので(笑)
あとネタ合わせのしやすさでいえば、今は絶滅しかけている手紙ネタというのがあります。
ただ、この暴走スタイルはボケが達者でこそ上手くいく部分もあるので、ボケにある程度の表現力が求められますね。
まぁ、やらなきゃ上手くならないので、ともかくやってみるのが良いと思います。
メリット:リズムが作りやすい、ネタ合わせがしやすい
たまたま見つけたのでコチラで(笑)もっと分かりやすく一人が落語みたいに左右ふるのがあるハズなんですけどね。いまTVでネタをやってる芸人さんはあんまりやってないのかなー。
④コント漫才型
これは多く出回ってるので説明不要でしょう。世の漫才師は、基本的にこのスタイルにお世話になっていると思います。
コント部分を入れた方がやり易いんですよね。
台本にしてやってみると分かるんですが、普段僕らがしている会話ってもの凄くスピードが早いんですよ。
さらに二人でリズムを合わせようもんなら、これは相当難しい。なのでお芝居の部分を入れる。お芝居の場合はリズムがややゆったりになるんですよね。
やり方次第で、まだまだ新しい見せ方もできるし、オーソドックスにして汎用性は高いです。
「二人喋りからコントに入ってそのままのパターン」
「素の二人に戻ってきて徐々にコントで話進めてくパターン」
の2種類があります。
メリット:いろいろな見せ方が出来る、セリフのテンポを落とせる
これが分かりやすいかな〜。本当はM-1グランプリを参考にするのは、速いからあんまりオススメしないんだけど(笑)
⑤掛け合いしゃべくり型
この漫才スタイルは基本的にコントに入りません。
最初から最後まで、素の二人として喋っていきます。
初心者でもかんたん!みたいな事言っておいてアレ何ですが、このスタイルはちょっと難しいかも知れません(笑)コント漫才のところでも言ったんですけど、しゃべくり漫才は会話がベースです。
僕らが普段している会話を台本化して、それを再現しようとすると、メッチャクチャ難しいです(笑)
それはスピードが速すぎるから。僕らがこのスピードで会話してるのって、実はもの凄く高度なことなんですよ。
なので、漫才というものに慣れてきたらが良いかな。
ちなみに、しゃべくりの良いところは、
「ことばの掛け合いで速いラリーができること」
絶妙にお客さんの感覚の一歩先を行って、仮にオチが読めてても、「そのテンポとタイミングでボケられたら笑っちゃうよ」という風にいい感じに撹乱することが出来ます。
言うなれば、速いパス回しがウリのバルセロナのサッカーみたいな。この感覚があると便利なスキルの一つですね。
※ひとこと大喜利型もコントに入らないし、ブラマヨさんみたいなパターンもあるけど、ここでは別で分けたいと思います。
メリット:テンポでたたみ掛けて撹乱できる
ちょっと良い動画が見つからなかったので、あとでチェックして差し替えます(笑)
漫才スタイルはチャンポンしてもOK?
全然OKだと思います。
2ネタを繋げて4分ネタにしているのも結構見ます。
そもそも8分とか15分舞台だといくつかのネタをつなぎ合わせないと逆にキツイと思います。
そうでなくとも同じ4分の中で、前半は漫才コントで始めて、後半はひとこと大喜利など色々組み合わせても良いと思います。
用途に合わせてやって行くのが良いと思います。
慣れて来たら自分に合ったスタイルを見つけよう
最初は作りやすくて、演じやすい漫才からトライしてみるのが良いと思います。自分たちの能力に合わせて、選んで行くのがベストですね。
ただ、上級者向けとしてるスタイルでも、ノリでチャレンジすると以外と出来ちゃったりする場合があるので(笑)
とにかくやりたいスタイルをやってみるのも全然アリです。
とくに変にキャリアを積んでくると新しい技に挑戦しなくなりがちなので、いつまでもチャレンジ精神だけは忘れないでくださいねw 目指せ、オリジナルスタイル!!
こんな記事もあります☆
まとめ
いかがでしたでしょうか?以上、基本的な漫才パターンを紹介してみました。
ただ、派生したり細分化したり、漫才も日々進化しているので、ここではまだ紹介しきれていない漫才スタイルもたくさんあります。
その辺りも今後気が向いたら紹介して行くかも知れません。
こんな時代なんだから、さっさとテンプレを覚えて、基本的なテクニックを身に付けて、とっとと新しい漫才を作って行きましょう!
※ふと漫才を教えてみたいな〜と思っているのですが、どなたか実験台になってくれる方を募集(笑)
漫才台本の添削なども!
興味がある方はDMください♪
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