お笑い工学研究所

お笑い工学を研究する元お笑い芸人の「佐々木くん」とお笑い工学を広く伝えたい「そもんず」によるお笑い工学の研究所です。

笑いの要素を2つに分けてみた!漫才における「伝える力」と「考える力」

f:id:yoshiwakko:20180205224904j:plain

 

どーも、お笑い工学研究員の佐々木くんです。

 

今回は前回のツイキャスまとめ記事でもちょこっと触れました、笑いを成立させる「伝える力」と「考える力」があるよ、という事を書いて行きたいと思います。

 

まぁ、これはまだ一般の方の生活にどう活かせるかは分かってないんだけど(笑)でもお笑いを勉強中の若手芸人さんや、M-1グランプリに出てみたいという方もいると思うんでね。わかりやすく「漫才における」と言いましたが、コントも落語も漫談などのピン芸も一緒です。

 

それではやって行きましょう!

 

 

 

 

 

「演技のボケ」と「ことばのボケ」

 

一般的にボケというと、「フリがどーの、ツッコミがどうの」というようなモノの事をさします。それとは別に、「演技のボケ」というのがあります。演技のボケを使う芸人さんとして、ロバートの秋山さん、バナナマンラーメンズ、シソンヌなどがいます。そして、彼らのネタを書き起こしをみるとビックリしますよ。

 

 

まったく面白くないんです。

 

 

...いや、スミマセン。あくまで当時の僕はおもしろさが分からなかった、という事ですね(笑)でも本当に、文字で読むだけではどこの何が面白いかまったくわかりませんでした。バカリズムの升野さんも、初めてバナナマンの台本を見せてもらった時には、分からなかったようです。ってクイックジャパンで言ってました。

 

 

で、これは何なんだろう?と考えを巡らせた結果、この考えるチカラと伝えるチカラに行き着いたのです。そして、演技のボケの使い手は、この「伝える力」を駆使していることが分かりました。

 

 

あとは日常的感情フレームのズラシとか。こちらは、別記事でチョロっと書いています。

 

www.owaraiengineering.com

 

 

 

お笑いを「考える力」とは?

 

まず「考える力」というのは、大喜利や漫才のボケ回答を考えたり、漫才やコントの台本を書いたりする力。フリ・オチ・ツッコミなんかは、皆さんも一度は聞いたことがあると思います。こうした一般的に知られるお笑いの理論というのは、すべて笑いを「考える力」になります。

 

 

 

お笑いを「伝える力」とは?

 

いっぽう「伝える力」というのは、先程の「考える力」によって笑いを台本にしたものを、舞台で実際に演じられるように立体化する力です。笑いを二次元から三次元に、テキストから肉体を通すみたいな。これは劇団においての、劇作家と役者の関係に似ていますね。劇作家の書いた脚本を役者が立体的にして、お芝居にするという感じですね。そういう風に、芸人は一人の中で人格が切り分けられています。

 

この「伝える力」というのはさらに、ビジュアル(視覚的おもしろさ)とサウンド(音的なおもしろさ)の2種類に分けられます。ちょっとややこしいですけど、そうなんだからそうなんです(笑)

 

 

 

お笑いをビジュアルで伝える

 

ビジュアルというのは、「変顔(表情)」「おもしろ動き(パントマイム)」などですね。これはちょっとプロの芸人さん的なものになりますが、もってうまれた顔、背格好、ハゲなどの身体的特徴もビジュアル的な面白さになりますね。要は視覚を使って情報を伝えるチカラという事です。

 

 

 

お笑いをサウンドで伝える

 

サウンドというのは「音」的なおもしろさ。声の大きさだったり、スピードだったり、間と言われるお笑い独特のタイミングだったり。ややこしいことに、このサウンド的おもしろさがここからさらに9つの要素に分かれてたりするんだけどw  さすがに今日はそこまではやりません(笑)何というか、お笑いっていうのは凄く音楽に似ているんですよね。音楽的要素が強いです。

 

 

 

考える力と伝える力は2つで1つ

 

考える力と伝える力は、ほとんどの場合セットになります。TVで活躍している芸人さんも、この2つをうま〜くブレンドさせて笑いを成立させてる訳です。キャラクターコントなんかは伝える力...その芸人さんの演技力を特化させて成立する部分があるので、台本だけ読んでも面白くなかったりする場合も多いです。それぞれの強みによって、どっちかに寄せてるんですね。

 

 

で、落語のCDを聴いても面白いように、ビジュアル的要素は最悪なくても成立します。サウンドさえあれば成立します。多分、これは映像を聴き手の頭の中につくるのか、直接みせるのかの違いだと思います。どっちが良いという訳でなく、どっちも良さがあると思います。変顔とかバカにされがちだけど、そんな事はないです。現物を見せられるパワーはもの凄い。

 

 

これは僕の勝手な考えなんですけど、ネタを作るのが好きな「考える力」の芸人と台本を演じるのが得意な「伝える力」の芸人がコンビを組むとバランスが良いように思います。今で言うとスーパーマラドーナさんとかかな。でも売れてる芸人さんはどっちも面白いですよね。じゃない方とかナントカ不名誉なこと言われてますけど(笑)

 

 

なぜ2つの要素をわける必要があるの?

 

なぜこの2つの要素を分ける必要があるかというと、例えばお笑いを始めたばかりの方が漫才やコントを人まで演じて、スベった時に原因を特定するためなんですね。台本が悪いのか?あるいは演じる力がヘタクソなのか?それを突き止めたいんですね。

 

特に始めたばかりの若手芸人というのは分からないことだらけですから、ネタをやってスベった時に、お前のせいだ!いやお前のせいだ!才能がないのか!ってやりがちなんですよね。もちろん僕も漏れずに経験しております(笑)この2つの力を意識できると、圧倒的に上達スピードが上がると思います。

 

 

 

漫才には伝える力「表現力」が大事だ!

とまぁこんな感じで、お笑いには大きく分けて2つの力があるというお話でした。日常生活でまったく役に立たないかも知れませんが、すみません(笑)漫才やコントやってみたいよって方に向けて、こういう話も思いついた順にちょこちょこ書いていこうかなと思います。

 

それでは、また!^^